もしも
幸せですか?と聞かれたのなら
そうですね、幸せです、と
いつか気負わずに答えられるような
そんな人に
僕はなりたいのかもしれない、なんて
考える日もあるけれど・・・。
理想の幸せのカタチなんて、あってないようなものだろうし
仮に何かしらの形を取れたとしても
それはきっと人それぞれ。
僕にとってのそれと誰かにとってのそれは異なるもの。
例え同じに見えたとしても、完全な相似ではないんだろう。
そしてそもそも僕は
自分がどうありたいのか、どうしていきたいのか、
そんなことはいつまで経っても霧の向こうにあるようで
求めるカタチの輪郭すら目にすることが出来ていないから
時々、足元すら不安定に感じられることも
あったりなんかもするわけで。
ついていることもついていないことも
上手くいくこともいかないことも
きっと最終的には同じくらいになるんだと分かっていても
焦燥に似た何かを持て余すことがある。
歩けば歩くほど、靴の踵と同じように僕の中の何かがすり減っていく。
ふとそんなことを思ってしまった自分を
らしくない、と笑い飛ばすことも難しくて。
今、は二度と無いと、誰しもが分かっているだろうけれど
それを
だから大事にしたいのか
だからさらりと過ごしてしまいたいのか・・・。
悩むことも悩まないことも、どっちも多分必要なことで、
導かれる全ての答えが正解だなんて有り得ないし
答えに辿り着かなければならないなんてこともないはずだ。
『思うままに進んで下さい』
そんな言葉をどこかで耳にして、一瞬何かが見えた気がしても
結局、思うままが何なのか、分からないから何処へも行けない。
どこかにあるはずのゴール地点は
いつまで経っても僕には見えない。
だからと言って、立ち止まっていることもまた、何か違うと思うから。
結局色々考えても
そんなこんなの堂々巡り
でもこれがきっと僕のペースなのかもしれないと
小さな溜息に似た呼吸で、軽く目を閉じた。
それから
ほんの少し、顎を上げて見上げた空は
抜けるような青さなんて、ほど遠い曇天で
なんだか妙に力が抜けて苦笑が零れる。
迷ったり、立ち止まったり、急いだり、
そうしている間に指の間をすり抜けたものは
その時は手の中に取り戻すことは出来ないだろうけれど
でも、いつか
違う形で、それを手のひらの上に乗せることなら
出来るのかもしれない
その時にそれにちゃんと気付くことができるように
僕が歩いて行けたなら
もしかしたら、それでいいのかもしれないなんて
ちょっとだけ今の僕は思っている。