昨日見た空は、きっともう何処にも無くて 明日見えるはずの空の色は僕にはまだわからない。
2013.12.15 Sun
日曜日の交差点
たまには遠出をしてみようかと
なんとなく南へ車を向けてみたところ。
いつもと逆に走る国道沿いの並木は
いつの間にやらもうすっかり冬支度。
枯れ色の間から覗く空が広い。
ついこの前までは色づいた葉の黄色が風に揺れていたのに。
生まれ育った場所から離れたこの街で
気付けば随分と多くの季節を過ごして来た。
もちろん、上手くいくこともいかないこともいくつもあって
自分の無力さを思い知って
無い物ねだりを繰り返して。
ありきたりな葛藤や小さな挫折を繰り返し過ごして。
今の僕は、きっとあの頃に思い描いた僕ではないけれど
それなりに、まあ、ちゃんと立っているんじゃないかな、なんて
ほんの少し、思ったりもするんだ。
緩やかな坂道を、上って、下りて
信号待ちで少しだけ窓を開けた。
公園の道路沿い、小さな花壇の傍に立つ初老の女性の
手には小振りなスコップと軍手。
その人の視線の先では白い花が並んで咲いていた。
かがんでついと伸ばした手は、葉についた泥でも払ったのか。
ちょっと満足げに微笑んだ姿がなんだかとても可愛らしかった。
不意に僕の視線に気付いたのか、にっこりと頭を下げられて
慌てて僕も頭を下げた。
信号が青に変わる。
車を南に走らせる。
白みを帯びた冬晴れの青に、まばらに雲が浮いている。
カーラジオから流れてきた、懐かしい歌を小さく口ずさんで
フロントガラス越しには冬晴れの日差し。
眩しさに目を細めれば、自然と僅かに笑みが浮かんだ。
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