昨日見た空は、きっともう何処にも無くて 明日見えるはずの空の色は僕にはまだわからない。
2014.01.18 Sat
忙しいという字は心を亡くすと書くのだと
仕事があるのはありがたいことだろうけれど
毎年忙しいと書いてくれる君が少し心配です、と
今では年の初めの葉書のやりとりしかしなくなってしまっている、
懐かしい人からの短い言葉に包まれていた優しさに
静かに背中を叩かれた気がした。
頑張らなくちゃと自分に言って
それなりに必死に毎日を過ごしてきたつもりだけれど。
忙しいということを態の良い言い訳に
仕方が無い、なんて諦めめいた溜息で通り過ぎて来たものは
ひょっとしたら大事な何かだったのかもしれないと
鈍色の冬空に、ひとり思った。
もちろん仕事だって大切で、一人前まではまだまだ遠く
ぼんやりしているわけにもいかなくて
余裕なんていつまで経っても出来はしない。
だからと言って、放り出してしまうほどの思い切りも勇気もないし
やっぱり仕事は好きだから
どうにも周りも見えにくくなって、
結局そんな暇は無いと、自分に言い聞かせてもいたのかもしれない。
息を吐いて、また空を望む。
雲間から、強くはないけれども確かな陽光が
遠く、どこかに注いでいる。
気まぐれに手にした、滅多に買わない自販機の缶コーヒーの
甘さになんだか少し、ほっとして
もう数年来の付き合いになる、冬のコートの襟を立てて
公園通りの回り道を、選んだ。
毎日は、足早にいつも通り過ぎ
様々な事が起こるようで、それでも同じ事を繰り返しているようで。
何となく急がなくてはいけないと、思って歩いて来たけれど
優しいものを優しいと、綺麗なものを綺麗だと
寒い冬にはちょっとだけぬくもりが恋しいと
思える僕でも
もしかしたら、いいのかな。
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