昨日見た空は、きっともう何処にも無くて 明日見えるはずの空の色は僕にはまだわからない。
2015.04.21 Tue
パソコンのエンターキーを押して、温くなったコーヒーを飲み干した。
お疲れ、と自分に小さく言ってみる。
住み慣れた独りの部屋に微かなドライブの音。
クリップを取り出すために机の引き出しを開いて
何とはなしにそれに手を伸ばした。
子供の頃に年の離れた従兄弟からもらったプリズムを
子供の頃に年の離れた従兄弟からもらったプリズムを
僕はまだ、引き出しの中にしまってあって。
当時親戚の家が営んでいた仕事の不良品であったらしいそれは
所々硝子面が傷ついていたけれど
僕にはすごい宝物だった。
駄菓子屋の一番大きなあめ玉ぐらいの、ごろっとした三角を
日に晒してはその虹色の影を楽しんだものだ。
地面に映る小さな虹は、僕だけのものだった。
手を上げて、蛍光灯に透かしてみる。
またたく反射光に目を細めた。
きっとこの光は
あの頃から変わらないのだろう。
そう、明日はちょっと早起きをして
そう、明日はちょっと早起きをして
一つ先の駅まで歩いてみようかなんて
なんだか不意に、そう思った。
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