昨日見た空は、きっともう何処にも無くて 明日見えるはずの空の色は僕にはまだわからない。
2015.05.01 Fri
見上げればビルの間の雲間から
半端月が顔を出している。
空車のランプを点けたタクシーが
少しばかり伸び気味の前髪を僅かに揺らしながら
目の前を通り過ぎた。
毎日はよく分からない忙しさに押し流されて
感覚も無いままに遠ざかっていく。
ただただ時間が過ぎていくようで
僕は果たして
前に進めているのだろうかと
思ってしまったりもするけれど。
不可も無いが、可も無い
そんな日々を繰り返しているばかり。
溜息をつく前に
信号は青に変わった。
渡る人の多くは無いスクランブル交差点は
どこか妙に広く思えて、青信号がやけに長い。
疲れた靴の背中がいくつか
僕と同じように駅に向かっている。
もしも、なんて子供じみた空想が
束の間頭の片隅を過ぎった。
例えばこの交差点の真ん中で後ろを振り返ったとしたならば
よく似た違う今が存在しているんじゃないかなんて。
もう少し違った時間があったりするんじゃないかなんて。
足を止めかけて小さく笑った。
ビルの電光掲示板が明日の天気を告げている。
降水確率30%、ところにより一時雨。
大丈夫
傘だって持っている。
そう結局
僕の毎日は
それなりにそう悪いものでもないのだろう。
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