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  昨日見た空は、きっともう何処にも無くて       明日見えるはずの空の色は僕にはまだわからない。
2024.11.23 Sat
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2013.09.10 Tue


見上げた空は、夕映え間近
夏には夏の空があり、秋の空は秋の色を纏う。
何処がどう違うのか
はっきり説明することは出来ないけれど
何となく、色や音が違うのだ。
すじ雲が流れる手前を白い鳥が行く。
もう少ししたらきっと
遠目に見える山並みは鮮やかに色を変えて行くのだろう。
大通りから少し離れれば、気の早い栗が
既に実りの色をその身に映して降りて来ている。
朱色の背中のトンボが通る。
出張先から少しだけ足を伸ばして久しぶりに訪れた懐かしい街。
時間はそろそろ夕餉の匂い
微かに漏れ聞こえるテレビの音
間延びした豆腐屋のラッパが往来をゆっくりと通る。
四つ辻を曲がれば小さな文房具店
隣には花屋と煎餅店
駅前の通りはもう随分と変わってしまったけれど
こうしてひとつ路地を入れば
あの頃と寸分変わりない景色が迎えてくれる。
「おっと」
駆け足の子供達は家路を急ぐのか。
彼が小脇に抱えた袋に僕は見覚えがあった。
紺の生地にクリーム色の帯。
あれは確か図書館の貸し出し袋。
変わらないな、思わずそう呟いた。
少年の背に懐かしい時間が重なって
僕は軽く目を閉じる。

次の休みには少し部屋を片付けて、風を入れて
最近ほったらかしにしてしまっている本棚を整理することにしようか。
何冊か、買ったままになっている本があったはず。
きっとそんな休日の過ごし方も
今の僕には丁度いいのかもしれない。

 

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