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  昨日見た空は、きっともう何処にも無くて       明日見えるはずの空の色は僕にはまだわからない。
2024.11.23 Sat
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2013.08.27 Tue

高層ビルの窓に半分欠けた月が映る。
最終間近の駅のホームで僕は一人、ぼんやりと溜息をつく。

どんなことにもきっと表と裏は確かにあって。
見えていることだけが全てでは無いだろうし
見えていないものの中に必ずしも本当があるとは限らないのだろう。
いいことばかりであるはずもない。
悪いことの方が多いのかも知れない。
歩くことが嫌になることも、少なくはなくて。
それすらも人生の糧なのだと
思えるほどに大人でもないし、
冷静な振りも出来はしないから
どうしても自分を持て余して、溜息が漏れてしまう。
昨日より今日、今日より明日が良くなければならないなんて
そんなことはきっとないんだろうけれど。

いつもと同じ電車に乗り込む。
半ば定位置と化したつり革は、座席の端から三番目。
疲れた顔のサラリーマンと網棚に放置されたスポーツ新聞。
車内の鏡像が映し出される窓の向こう、
闇に沈んだ街が流れて行く。

見えない月の半分は
見えないだけでそこにあるのだと
本当はずっと知っているはずなのに。

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