昨日見た空は、きっともう何処にも無くて 明日見えるはずの空の色は僕にはまだわからない。
2014.04.04 Fri
軽くなった風が切ったばかりの襟足を通り過ぎる。
公園通りから見える桜はすっかり満開を越えるところ。
いつの間にかに季節は流れて
社会に出てからの年をまた一つ重ねている。
春。
この街で迎える春は、幾つ目になるのだったか。
振り返って懐かしく思う程に、そう離れてはいないけれど
鏡に映るスーツ姿の自分にひどく違和感を覚えたあの頃と
僕はなにか、変わっているのだろうか。
それなりに時間も過ごして
人並みの経験をいくつも越えて
なんとか今の僕がある。
確かに初めのうちは慣れない社会に戸惑うばかりで
賑やかで楽しいばかりの学生時代に戻れるならば戻りたいと
糊の利いたワイシャツの襟を気にしながら
幾度も思ったりもしていたけれど、
流石に最近はそうは思わなくなっても来た。
記憶が風化したわけでは無くて
あの頃はあの頃のままに
僕の中に存在しているのは間違いなくて・・・。
過ごした時間が即ち経験とは言えず
いつまでも上手くいかないことは少なくならない。
今の自分に絶対の自信があるわけなんて勿論無い。
それでも、それなりに、僕は僕であるわけで。
折からの風に薄花色の花弁が舞う。
来年もきっと桜は同じように咲くのだろう。
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