昨日見た空は、きっともう何処にも無くて 明日見えるはずの空の色は僕にはまだわからない。
2014.05.30 Fri
どうにも上手くは言えないけれど
自分が何かに絡め取られて
急ぎ足で過ぎ去っていく毎日に
少しばかりの息苦しさを覚えて。
溜まるばかりの代休の消化、と
溜まるばかりの代休の消化、と
無意味な言い訳を自分にして
ふらりと出掛けたのは湖の近く、避暑地と呼ばれる山間の街。
オンシーズンまでは些か間があるから
渋滞を気にする必要も無いのはちょうどいいのだけれど
高速に乗ってからすぐに降りだした雨に
自分のついてなさを苦く笑った。
小休憩を一度挟んで到着した夕刻前
閑静な林の先の駐車場に車を止める。
仕事用ではないバッグを助手席から下ろす段になっても
結局雨は静かに降り続いていて。
気晴らしにと出掛けたはずの小旅行は
傘を差しての遊歩道。
山並みが美しいと、景観が人気のはずの宿も
窓の外はけぶる木々ばかり。
それでも日常と違う景色は、
知らず入ってしまっていた肩の力を抜かせてくれたようで
久しぶりにゆっくりと夕食を楽しみ
調えられたベッドに横になると僕はすぐに眠りに落ちた。
止め忘れていた携帯電話のアラームに
止め忘れていた携帯電話のアラームに
いつもと同じ時間の朝を告げられて
少し躊躇した挙げ句、シャツを羽織って外に出る。
幸いにもどうやら雨は過ぎ去ってくれたらしい。
昨日は運の悪さに溜息をついたけれど
雨が上がったその後には、
こうして新しい風景が開けるのは事実。
澄んだ空気に誘われて、遊歩道へと入ってみれば
どこかで鳥の声がして、ざっと葉擦れの音。
常磐緑の葉先に、生きるものの強さを知る。
透きとおった風が通っていく。
穏やかでありながらも確かに注ぐ朝日によって
地面から空へと帰る雨粒たちの創るうっすらとしたベール。
梢の間に感じる穏やかな命の力。
深呼吸を、ひとつ
針葉樹の青い香りを深く吸い込むようにして。
目を開けて空を仰ぐ
目を開けて空を仰ぐ
暫くは、晴れるだろうか。
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