昨日見た空は、きっともう何処にも無くて 明日見えるはずの空の色は僕にはまだわからない。
2013.08.18 Sun
木漏れ日が揺らめいて、ふと懐かしい空気を感じた気がした。
特に予定のあるわけでない休日の午前中
駅裏の住宅地から少しだけ離れた林道に入れば
こんな夏晴れの空の下でも、ちょっとした散策には快適な温度になる。
日陰と日なたの混ざり合う細い道沿いには
羊歯に露草、小ぶりな白い花は、なんだったか。
ざわりと梢が風に揺れて、
頭に乗せた、麦わら帽子がそれをうける。
『ほら』
少年の夏に被っていたものとは大きさも形も違うけれど
遠い昔の母の声を思い出して軽く手で直し
土の道をのんびりと歩く。
小径沿いのベンチには、誰が忘れたか虫取り網が、ひとつ。
夏休み、そんな懐かしい言葉を唇に乗せてみる。
裸足で駆け出した、地面の熱さ
降り注ぐ蝉時雨、太陽のような向日葵の強く鮮やかな花弁の色。
微かに響く風鈴の音、汗をかいたグラスには砂糖入りの麦茶。
幾つの夏を過ごしてきたのだろう。
そして僕はこれから幾つの夏をこうして過ごしていくのだろうか。
吹く風が零した陽光に、また少し目を細めた。
やがて林道は終わりを告げて、公園に出る。
青空が開け、白い雲が眩しい。
遊歩道に落ちる影は色濃く、これからの気温の上昇を予感させる。
このまま公園をぐるりと半周する形に少し歩き、その先の駅を抜ければ
大型のショッピングモールが展開している。
少しばかり賑やかすぎるかも知れないけれど
一画には品揃えの良い大型の書店があるのだ。
久しぶりに覗いてみるのもいいかもしれない。
確か世界観が気に入って、読み続けているシリーズの新刊が出ていたはず。
それから・・・。
ふと、そんな余暇は久しぶりであったと気付く。
大きくゆっくりと呼吸をする。
草の匂いと土の匂い、夏の風が僕を満たしていくのを感じる。
「うん」
そう、大丈夫。
空は青く、風は透明だ。
特に予定のあるわけでない休日の午前中
駅裏の住宅地から少しだけ離れた林道に入れば
こんな夏晴れの空の下でも、ちょっとした散策には快適な温度になる。
日陰と日なたの混ざり合う細い道沿いには
羊歯に露草、小ぶりな白い花は、なんだったか。
ざわりと梢が風に揺れて、
頭に乗せた、麦わら帽子がそれをうける。
『ほら』
少年の夏に被っていたものとは大きさも形も違うけれど
遠い昔の母の声を思い出して軽く手で直し
土の道をのんびりと歩く。
小径沿いのベンチには、誰が忘れたか虫取り網が、ひとつ。
夏休み、そんな懐かしい言葉を唇に乗せてみる。
裸足で駆け出した、地面の熱さ
降り注ぐ蝉時雨、太陽のような向日葵の強く鮮やかな花弁の色。
微かに響く風鈴の音、汗をかいたグラスには砂糖入りの麦茶。
幾つの夏を過ごしてきたのだろう。
そして僕はこれから幾つの夏をこうして過ごしていくのだろうか。
吹く風が零した陽光に、また少し目を細めた。
やがて林道は終わりを告げて、公園に出る。
青空が開け、白い雲が眩しい。
遊歩道に落ちる影は色濃く、これからの気温の上昇を予感させる。
このまま公園をぐるりと半周する形に少し歩き、その先の駅を抜ければ
大型のショッピングモールが展開している。
少しばかり賑やかすぎるかも知れないけれど
一画には品揃えの良い大型の書店があるのだ。
久しぶりに覗いてみるのもいいかもしれない。
確か世界観が気に入って、読み続けているシリーズの新刊が出ていたはず。
それから・・・。
ふと、そんな余暇は久しぶりであったと気付く。
大きくゆっくりと呼吸をする。
草の匂いと土の匂い、夏の風が僕を満たしていくのを感じる。
「うん」
そう、大丈夫。
空は青く、風は透明だ。
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