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  昨日見た空は、きっともう何処にも無くて       明日見えるはずの空の色は僕にはまだわからない。
2024.11.22 Fri
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2014.07.16 Wed
ささやかな言葉が嬉しくて
小さな欠片が優しくて
どうということもない出来事が、すごく大切になったりもする。
それは、ちょっとした一言だったり、一瞬の笑顔だったり。
そんな時はなんだか足取りも軽くなるようで
我ながら、なんて単純なんだろうと思ったりはするけれど。

雨の季節もそろそろ終わり。
見上げた灰色の空の隙間に
夏の花の鮮やかな黄色を思い浮かべて、
僕は交差点を渡った。

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2014.07.11 Fri
雨上がりの雫の煌めきや
澄み渡った空の青
それから、風に揺れる街路樹の緑
そんな何気ない一つ一つが
どれほど綺麗なものだったのかって
本当にふっと、僕は思った。

気付かなければ見逃してしまうような
そんな小さなひとつひとつを
大事にしていきたい、なんて。
そんな言葉にするのもどうにも気恥ずかしいことを
どうして突然に考えたのかは分からないけれど、
それでも僕は今、そう思った。

深く息を吸って、吐いて。
まっすぐに光を、風を、感じてみる。
いいんじゃないかな
自分でもよくは分からないそんな言葉を口にして。

でも、
そんな自分が、なんだか僕は嫌いでは無い。

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2014.06.18 Wed
仕事で出掛けた遠出の帰り
車で通りかかったのは、僕の通った高校の最寄り駅。
駅に向かう通りで目にした学生たちの夏服に
ふとあの頃を思い出している。
国道沿いに東へ折れれば
自転車で通った川沿いの道が、大きな橋から細く見えた。
まるでタイミングを計ったように
カーラジオから80's。
なんだかな、と小さく笑う。
信号待ちで止まれば
細く空けたウィンドウから夏草の匂いがしたようで
僕は数瞬目を閉じた。
あれから幾つもの季節が過ぎて、実にこの街も久しぶり。
そう言えば自転車になんてもう何年も乗っていない。
駅前通りが広くなった今も、
あの道は同じようにそこにあるのに
僕ばかりが時間を過ごして
どうやらカタチばかりは大人になった。
そんなに時間が経ったとも思わないけれど
懐かしい、なんて感じるくらいには時は流れているらしい。
順風満帆とは言えなくても
大きな波乱も無いままに僕は毎日を過ごしている。
時々はもちろんあまりのやるせなさに立ち止まることもあるし
後ろを向き気味になることもある。
それでも僕はどうにか歩いていて
こうして出会えば、素直にあの頃も懐かしい。
きっとこんなふうにこれからも時間は続いていくのだろう。
例えば高校時代の僕が、今の僕をどう思うのか
なんて分かりはしないけれど
僕の今は
きっとそんなに悪いものでも無いと思っている。

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2014.05.30 Fri
どうにも上手くは言えないけれど
自分が何かに絡め取られて
急ぎ足で過ぎ去っていく毎日に
少しばかりの息苦しさを覚えて。

溜まるばかりの代休の消化、と
無意味な言い訳を自分にして
ふらりと出掛けたのは湖の近く、避暑地と呼ばれる山間の街。
オンシーズンまでは些か間があるから
渋滞を気にする必要も無いのはちょうどいいのだけれど
高速に乗ってからすぐに降りだした雨に
自分のついてなさを苦く笑った。
小休憩を一度挟んで到着した夕刻前
閑静な林の先の駐車場に車を止める。
仕事用ではないバッグを助手席から下ろす段になっても
結局雨は静かに降り続いていて。
気晴らしにと出掛けたはずの小旅行は
傘を差しての遊歩道。
山並みが美しいと、景観が人気のはずの宿も
窓の外はけぶる木々ばかり。
それでも日常と違う景色は、
知らず入ってしまっていた肩の力を抜かせてくれたようで
久しぶりにゆっくりと夕食を楽しみ
調えられたベッドに横になると僕はすぐに眠りに落ちた。

止め忘れていた携帯電話のアラームに
いつもと同じ時間の朝を告げられて
少し躊躇した挙げ句、シャツを羽織って外に出る。
幸いにもどうやら雨は過ぎ去ってくれたらしい。
昨日は運の悪さに溜息をついたけれど
雨が上がったその後には、
こうして新しい風景が開けるのは事実。
澄んだ空気に誘われて、遊歩道へと入ってみれば
どこかで鳥の声がして、ざっと葉擦れの音。
常磐緑の葉先に、生きるものの強さを知る。
透きとおった風が通っていく。
穏やかでありながらも確かに注ぐ朝日によって
地面から空へと帰る雨粒たちの創るうっすらとしたベール。
梢の間に感じる穏やかな命の力。
深呼吸を、ひとつ
針葉樹の青い香りを深く吸い込むようにして。

目を開けて空を仰ぐ
暫くは、晴れるだろうか。

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2014.05.25 Sun
街路樹を抜けて通る風に
爽やかさ、という名の心地の良い響きを感じる。
少し前までは確かに北風にコートの衿を立てていたのに
あっという間に時間は流れて過ぎていく。
不思議なもので、その季節にいる時には
そんなに早く流れを感じはしないのに
過ぎ去り際、次の季節が巡り来る時に
不意に目の前にそれを差し出されたように思えて
僕は少しだけ驚いたりもするのだ。
育った街から離れて暮らして
片手以上の時が経ち
時折の懐かしい場面に似た景色に
僅かの淋しさを感じることも無くなって
当たり前に過ぎる毎日だけれど
こうしてその時ごとに
色々に気付かせてくれるこの街が
僕は結構好きなんだと思う。

そう、もうしばらくは
ゆっくり歩くことにしよう。
季節の空気を感じて、空の色の変化を感じて。
今日は今日の風が吹き
明日は明日の色になる。
見上げた先で
さやりと葉裏がまた、音を立てた。

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